前回はコピーライティングの基礎として

「読み手に伝わる文章」

の書き方を解説させて頂きました。

伝わる文章の基礎

コピーを書く上では「言葉の選択」が重要であり、
できるだけ日常会話で使うような

「簡単でわかりやすい言葉」

が適切だというようにお伝えしたかと思います。

併せてお伝えさせていただいたことに

「コピーは紙のセールスマン」

であり、セールスマンは相手の立場に立つことが重要である以上、
それはコピーにも当てはまるということも書かせていただきました。

非常に重要なキーワードですので、記憶に留めておいて頂ければ幸いです。

今回も前回に引き続き、「売れるコピー」を書くための
すぐにでも使える実践的な内容をお伝えさせて頂こうと思います。

題して

「売れないコピーに共通する過ち」

です。

売れないコピーに共通する過ち

売れないコピーには売れないなりの「理由」があり
その「理由」を理解、認識することで、
その過ちを避けることができるようになります。

もちろん、売れないコピーには様々な原因があり
決して一つの理由に集約できるものではありません。

しかし、今から解説させて頂くことは
大半の売れないコピーが犯してしまっている

「共通する大きな過ち」

に当たるものですので、そのようなコピーを書かないように
ここで解説させて頂く事を意識して欲しいと思います。

では、そんな

「売れないコピーに共通する大きな過ち」

とは何なのかといえば、
すでにあなたもご存知かもしれませんが

「人は理屈では無く感情で物を買う」

ということです。

これは「売れるコピー」になるか「売れないコピー」になるかの
そのコピーの明暗を決定づけてしまうほど
コピーを書くうえでの大原則に当たるものだと私は思っています。

要するに、この言葉が意味するところは
「感情を動かさないコピー」はそのまま
「売れないコピー」になってしまう可能性が高いということです。

ただ、この言葉は

「じゃあ理屈は必要ないのか」

と解釈する余地を与えてしまう可能性もあるのですが
決してそのようなことはありませんので誤解なさらないでください。

実際に理由や理屈がなければ行動しない人も非常に多く
「理屈」も売れるコピーを書く上では非常に重要ではあります。

ただ、感情抜きで理屈攻めしても購入に至らない人が多いのもまた事実で、
「理屈面」と「感情面」を適切な順序で訴えていくことが

「売れるコピー」

を作る上では欠かせません。

その辺りの「書き方」についても追って解説していきたいと思います。

まずは最初に

「何故、感情面でのアプローチを抜いたコピーは売れないのか」

という点について解説させて頂きたいのですが、
これは「感情がなければ人は行動しない」という
心理学、脳科学的な観点からも明らかになっていることです。

根本として人間には食欲、睡眠欲、性欲などの生存欲求や
他者との繋がりを持ちたいという社会的な欲求などがあり、
それらの欲求を満たすために「行動」をしていると言われています。

様々な欲求を満たすことを「目的」として
その目的を達成するための「手段」として行動を起こしているわけです。

その欲求を満たすという目的が無かったとしたなら
その目的を達成するための行動を起こす動機が生まれません。

だからこそ、私達が何らかの行動を起こすためには
その前提として欲求が存在しなければいけないのです。

過去に実際にあった事例なのですが
フィアネス・ゲージという鉄道の現場監督だった方が事故によって

「脳内の感情を司っている部位」

を損傷してしまい、結果的に感情を失ったことがあったそうですが
その人は事故からの回復後に知性レベルは維持できていたものの
物事の「選択」ができなくなってしまったと言われています。

感情が無いために自分がどうしたいのかがわからず
そのために、どう行動するべきかもわからなくなってしまったそうです。

この事例からもわかるように、「感情」がなければ「目的」が生まれず、
目的がない以上、行動を起こす動機も生まれてきません。

だからこそ、「行動」を引き出したければ感情を動かす必要があるわけです。

これはそのまま、「コピーライティング」にも当てはまると思います。

要するに、読んでも感情を生じさせないコピーは
それを読んだ人から

「行動したい」

という動機を引き出すことができないということです。

当然、そのようなコピーでは書き手が意図する行動を
読み手から引き出すことはまずできません。

だからこそ、こちらの意図した行動を読みてから引き出すことが
その第一の目的であるコピーライティングにおいても

「コピーによって感情を動かすこと、生じさせること」

が何よりも大切になってくるわけです。

しかし、世に出ているコピーの中には感情を動かす要素が完全に
スッポリと抜け落ちてしまっているものも珍しくありません。

その代わりに、「理屈」に当たる商品の機能や成分などを取り上げて

「これだけ素晴らしい機能や成分なのだから、この商品を買うべきだ」

と論理的、理屈的に押し付けてしまっているわけです。

ですが、先にも説明してきたように、感情が動かないことには
どれだけ論理的に説き伏せられようとも行動は起こしてもらえません。

そもそも、その商品の機能や成分から得られる結果に対して

「その結果が欲しい」

という欲求が生まれていないからです。

そのような欲求がない状態で物事を説得されると
どうしても「興味のない話を押し付けられている」という感覚を与えてしまい
書き手が意図した行動とは真逆の反応を引き出してしまいかねません。

要するに、抵抗や反発を引き出してしまう可能性があるわけです。

それが本意であるということは決して無いはずですので、
理屈面で説き伏せようとすることは避けるべきだと私は思います。

だからこそ、コピーライティングでは感情を動かしていくことが重要であり

「人は理屈ではなく感情で物を買う」

ということがコピーにおいてもそのまま当てはまるわけです。

では、

「感情を動かすためにはどのようにコピーを書けば良いのか?」

その疑問に今からお答えしようと思います。

感情を動かすコピーを書く方法

感情を動かすコピーを書くためにはコツが有ります。

そのコツを押さえてコピーを書いて頂ければ
あなたも読み手に様々な感情を与えることができるようになるはずです。

そのためにはまず簡単にでも

「文章によって感情を生じる理屈」

を抑えておく必要があると思いますので
まずはそこから説明をさせてください。

まずその結論から言うならば、文章は読み手の記憶を引き出し、
その記憶にひも付けされた「感情」が引き出されることになります。

前回の記事、伝わる文章の基礎でもお伝えしましたが、
人は文章を読みながら脳内で「イメージ」を構築していくわけです。

当然ですが、そのイメージは文章を読む一人ひとりによって異なります。

同じ文章を読んだとしても
脳内で描かれるイメージは人によって異なるわけです。

例えば、実験として100人の絵描きに以下の文章を読んでもらい
それを実際に絵に描いてもらうとします。

「ペットショップでゲージに入れられた子犬が潤んだ瞳でこちらをじっと見つめている」

このわずか一行の文章を読んでも
そのイメージを100人に描かせたとしたなら
100人が異なる絵を書くことになるはずです。

「犬種」
「じっと見つめている時の子犬の姿勢」
「潤んだ瞳の様子」
「ゲージの色や形」

そのような一つ一つの言葉から思い浮かぶイメージが、
読み手によって異なることは想像に難しくありません。

そして、それらのイメージは読み手の「過去の記憶」から生み出されます。

一つ一つの単語や表現が読み手の過去の記憶を引き出し、
それらの記憶が組み合わさった、いわば脳内の「合成写真」が
文章を読んだ時に脳内に構築される全体のイメージになるわけです。

ですので、異なる人が全く同じ記憶を持っているような
SFのような世界でなければ「ありえない」状況で無い限り
同じ文章を読んだとしても脳内に描かれるイメージは同じになりません。

そして、この「過去の記憶から構成されるイメージ」が
読み手から感情を引き出す上でのキーポイントになります。

記憶にひも付けされた「感情」が
読み手の心の中に生じることになるからです。

それぞれの記憶には、その記憶を体験した時の感情がひも付けされています。

例えば、愛していた人や大切にしていたモノを失った時の悲しみや、
それらを他者によって奪われた時の憎しみや悔しさなどは
その場面を思い出すことで同時に引き出されていくものです。

だからこそ、感情を動かすコピーを書いていくうえでは

「過去の記憶を引き出せるコピー」

を書いていくことが重要になるわけです。

そのような「過去の記憶を引き出せるコピー」を書くことで
徐々に読み手の感情を揺り動かすことができるようになります。

読み手から引き出せる感情が小さければ、
その読み手から「行動」を引き出すことは、まずできません。

さらに言えば、その引き出したい「行動」が、
リスクが高く時間や労力を要するものであればあるほど
引き出すべき感情の大きさも、それ相応のものにしていく必要があります。

そして、以上で述べてきた

「文章を読むことで感情が生じるプロセス」

を踏まえた上で、過去の記憶を引き出すコピーを書くためにも
その「コツ」といえるポイントがありますので
「感情を引き出すコピーの書き方」として最後にご紹介させてください。

過去の記憶を引き出すコピーの書き方

ここまで述べてきたように、過去の記憶を思い出させるコピーが書ければ
その記憶にひも付けされた感情を引き出すことができるようになります。

結論を言えば、「感情を動かせるコピー」が書けるようになるわけです。

そんな「過去の記憶を引き出すコピー」を書く上で重要な事は

「五感を使った表現を散りばめる」

というものであり、この要素が強いほど
そのコピーは読み手の感情を動かしていくことができます。

逆に言えば、五感に訴える表現が少ない文章ほど
その文章によって感情を動かすことができなくなるわけです。

五感を使った表現とは、目で見た時の感覚である「視覚」、
匂いなどの「嗅覚」、手触りなどの「触覚」、
音を聞き分ける「聴覚」、味を感じ取る「味覚」があります。

それらを表現した言葉を文章中に散りばめていくほど
読み手から鮮明な記憶を引き出していくことができるわけです。

その具体例を挙げさせていただくと

しわくちゃで表面に塩の粒が浮き出ている梅干し(視覚)

酸っぱい梅干し(味覚)

ジュワ~と味が染み出てきそうな梅干し(聴覚)

表面についた塩の粒でザラザラとした梅干し(触覚)

鼻の奥がツーンとする香りの梅干し(嗅覚)

そして、五感に全て訴えた文章を書くと以下の様になります。

しわくちゃで表面に塩の粒が浮き出てザラザラとした手触りの、
噛むと口の中でジュワ~と酸味が広がる、
匂いをかぐだけで鼻の奥がツーンとする梅干し(五感)

少し極端にやり過ぎた感はありますが、
様々な角度から「梅干し」を描くことで
より鮮明にイメージすることがでたのではないでしょうか。

そしてあなたが梅干しを好きなら「快感」を感じたと思いますし
その反対に、梅干しが嫌いなら「不快感」を感じたと思います。

これは文章によって過去に梅干しを食べた記憶が蘇り
その記憶に伴った感情が引き出されたためです。

このように、五感に訴える表現を文章中に散りばめていくことで
読み手から感情を引き出していくことができます。

要するに、

「五感を使った表現を文章中に散りばめる」

ことで記憶を思い出させ、感情を動かすことに繋がっていくわけです。

感情の次に「理屈」が来る

先ほど私は「感情」だけではなく「理屈」も重要だといいました。

理屈がなければ人は「納得」や「確信」ができないからです。

読み手の感情を動かすことができたならば、
その読み手の心の中では

「その結果が欲しい」

「この欲求を解消したい」

という感情が生じていますが、その一方で
その行動を踏みとどまらせてしまう要素として

「疑いや不安」

が同時に読み手の心の中に残っています。

その「疑いや不安」を解消してあげない限り

「行動したくても行動できない」

という板挟み的な状態が生まれてしまうわけです。

そして、その「疑いや不安」を解決できる要素こそ
読み手を説得できるだけの「理屈」に他なりません。

言い換えると「信用要素」という表現もできると思います。

「根拠」や、「社会的証明」や、機能や成分などの「事実」により
読み手の「納得」を引き出す必要があるわけです。

これは私のコピーの先生から教わったことですが、
読み手の意識は主張を「常に」マイナス方向に捉えていきます。

何かを主張すれば、その度に疑いや批判的な捉え方をされ、
常にプラスのイメージ、印象を与え続けていかない限り
読み手は意識をその文章に集中させ続けてくれません。

容赦なくその文章から離脱してしまうということです。

だからこそ、読み手にマイナス印象を与えないことが重要であり
マイナス印象を払拭できる「理屈」という要素は
コピーを書く上で非常に大切なものになります。

ですので、

「人は理屈ではなく感情で者を買う」

という言葉を覚えておくと同時に、

「理屈も決して無視してはならない。」

ということも併せて認識しておくといいかもしれません。

「感情を動かした後に理屈で納得させる」

というのが「売れるコピー」を書く上でのポイントだということです。

売れないコピーに共通する過ち まとめ

「売れないコピーに共通する過ち」で解説したことをまとめます。

参考にしてみてください。

・売れないコピーは「感情」を動かすことができていない

・過去の記憶には感情がひも付けされている

・文章で感情を動かすためには、過去の記憶を引き出すことが有効

・過去の記憶を引き出すためには「五感」に訴えた表現を散りばめる

・感情を動かした後は「理屈」で納得させることが大切

・読み手の意識は常に「疑いや不安」などのマイナス方向に流れるので、
根拠や証明などでプラスのイメージを与えていくことが重要

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